2023年1月 情熱とは何か?
一般的に企業経営者の成功には社会的成功と人間的成功があると言われている。
近年はこれに金銭的成功も加えていいのではないかと思う。社会的にも人間的にも成功していなくても、金銭的には成功しているという経営者は少なからず存在する。極端な例だが宝くじで3億円が当たった、遺産相続で大金を手にしたなどもその1つに入る。 「その程度のお金を手にすることは成功ではない」という人もいるかもしれないが、人生からお金のストレスがなくなればそれは立派な成功であると感じる人は少なくないだろう。
では「幸せ」というのは何だろうか?幸せとは感情である。だから感じ方は環境や置かれた立場、瞬間によってまったく異なる。晴れた日に気持ちよくゴルフができれば幸せだと思う人もいれば、美味しいものを食べて幸せだと感じる人もいる。ウクライナの人たちは今日を無事に過ごすことで幸せを感じているかもしれない。
「成功」と「幸せ」とを4つにわけると以下のようになる。
「成功していて幸せ」
「成功しているが不幸せ」
「成功していないが幸せ」
「成功しておらず不幸せ」
例えば弊社ロビンは売上約20億円の企業だ。これから起業する人からすると成功していると思うかもしれないが当の本人たち(経営者である私や社員)は「成功している」などと感じたり思ったりしている者はいないと思う。
ただ「幸せ」を「充実感」に置き換えるならば、多くの無理難題や顧客からのクレームがあるたびに、仕事に向き合い行動していることに充実感を感じることはある。
これでまた成長できると思うこと、そしてそれをやり遂げた時の達成感があるからだろうか。
閑話休題。
米国バスケットボールで活躍したコービーブライアントは
「早起きしてハードワークする時、遅くまで起きてハードワークする時、働く気にならずとても疲れていて何もしたくないけどやり遂げた時、それこそが夢なんだ。夢とは「目的地」ではなく、その「旅路」のことなんだ」と言葉を残している。
私たちは時間に限りある人生を生きている。そのプロセスにおいて重要なのは夢を実現することより、そこに情熱を持ち続けられるかどうかにある。
情熱とは何だろうか?
例えばボールが落下する、下り坂を歩く、下流に向かってボートをこぐ、年齢と共に老化する、筋肉が衰える。これはすべて自然法則である。エネルギーもいらず、知恵、工夫もいらない。つまり情熱など不要である。ただただ自然の法則に従えばいい。
しかしロケットを宇宙に飛ばす、上り坂を駆け抜ける、上流に向かってボートをこぐ、老化を防ぐ、筋肉を増加させるとなればどうだろうか?知恵や工夫が必要、そして心に強い決意が必要だ。この自然法則に抗う(あらがう)時に生まれるものが情熱なのである。
企業経営でも、現在、日本は人口が減少しており消費欲は減退しており、人口は都市に集まり地方は衰退する一方だ。この環境の中で自然法則に従うのなら「社員は減らし売り上げも減る」ということになる。そこに知恵、工夫はいらない。努力も不要である。
しかしその環境でも「社員を増やして会社を大きくする」となればどうだろうか?
1円でもいい。売り上げを大きしたいと思えばそれは自然法則に抗っている。
だから「よし、やってやろう」と心に強い決意と覚悟、そして知恵、工夫が生まれる。
つまり情熱とは自然法則に抗おうとすることで発するエネルギーなのだ。情熱があれば細かいこと、些細なことは気にならなくなる。辛いとか苦しいということも受け入れることができる。夢を追う人間とはそのような種類の人種なのだ。
成功し人生に充実感を感じたければ、簡単な目標ではなく自然法則に抗う情熱を持て。人生はいつか終わる。限られた時間で最も重要なことは些細なことに時間を使うのではなく、情熱を持ち続け努力することなのである。
情熱を持て、そして努力し続けよ。