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クモデコラム
COLUMN

2022/7/10

2022年7月 言葉の重みとメッセージ

世代、国境、人種を超え、世の中に長く残っている哲学や考え方には必ず言葉がある。キリスト教の聖書、イスラム教のコーラン、仏教には数々のお経があり、例えば般若心経もそれであたる。しかし言葉は人生の光にもなるが、凶器にもなる。

最近、SNSやネット上での誹謗中傷をした人を告訴、賠償命令というニュースを目にする機会が増えた。

以前からネットに書き込まれた誹謗中傷が原因で自殺するという事件も起きており国としても対策を求められていたが、この6月、インターネット上の誹謗中傷対策で「侮辱罪」を厳罰化する改正刑法が参議院本会議で可決・成立をした。

具体的には原稿の刑罰「30日未満の勾留または1万円未満の科料が1年以下の懲役・禁錮。または30万円以下の罰金。

そもそもこの改正刑法が本当に厳罰なのかは疑問が残るが「言葉の重み」は便利な世の中になった今、再認識されるべき。

思いを言葉で伝える。これはどんな時代になっても変わらない。むしろ誰でも発信できる時代だからこそ、言葉の重みは増すだろうと思う次第。

今回はシャープの載会長が退任に際して社員に送ったメッセージを紹介したい。

シャープは2016年4月、台湾企業・鴻海(ホンハイ)精密工業による買収を受け傘下に入った。当時はシャープの経営悪化は主力の液晶事業の不振による経営赤字が続いており債務超過に陥っていた。「もう時間の問題」と思われていたところに今回の買収があったのだが、驚いたことに鴻海傘下に入ったシャープは2016年第三四半期には早々に黒字化し現在に至っている。

その再建の陣頭指揮を取った載会長が6年を経てこの6月に退任することとなり株主総会で社員の送ったメッセージが以下である。

「最後に3点、話したいことがある。1点目は「どんな困難な局面からでも逃げてはいけない。諦めてはいけない」ということだ。私は鴻海(ホンハイ)時代から「あなた自信が物事を面倒だと思った時は、それはやり方が合ってない」「あなた自身が物事を困難だと思った時は、それは能力が足りていない」という中国の標語を部屋に掲げてきた。何事にも「絶対に諦めない」「積極的に新しいことに取り組む」という姿勢が大事である。まわり道の先に待っているのは行き止まりだけであり、困難から逃げては苦労は2倍になるだけ。だが真正面からぶつかれば誰かの力を借りることができる。つまり「借力使力」が可能になる。ぜひ気持ちを強く持って業務に当たってほしい。2点目は「スピード」である。Speedという英単語の語源は成功や繁栄を意味するSpedである。「God speed you!」という言葉は、「幸運を祈る」という意味に使われる。つまり「Speed」こそが成功の鍵である。今、時代の変化はますます激しくなっている。私は社長に就任して以来「シャープは大きな魚ではなく、早く動く魚を目指せ」と言い続けてきた。これからも早く泳ぐ魚であり続けてほしい。3点目はシャープは日本の宝であるということだ。私は心からそう思っている。社員も自分はそういう会社に勤めているという強い自負心とシャープブランドを持って全身全霊で業務に当たってほしい」(以上、ここまで)

なんとも力強い言葉とメッセージである。私は経営者は哲学者でありメッセンジャーであるべきと考えている。事業経営を通じて仕事とは、企業とは、人生とはなどという答えのない問題に向き合い、社員の人生とも向き合う。

子供が親の言葉を聞いて育つように、社員は経営者の声を聞いて育つ。バカと言いつづけて育成したらバカ社員が育ち、褒めて甘えて育てれば弱い風でポキっと折れてしまいそうな芯の細い社員が育つ。

どんな企業にしたいのか?は全て経営者の哲学にあり、それを伝えるメッセージにあると思うが載会長の最後のメッセージは自分自身の会社にも言えることが多く、深い愛情と熱い心を感じたので皆さんにも共有した次第。