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クモデコラム
COLUMN

2022/7/13

2022年7月 安倍元首相の死に思う

7月8日安倍元首相が凶弾に倒れたという一報を出張先で知った。まさか、この日本でこんなことが起きるなんて。本当に驚いた。


事件は参議院選挙活動の街頭演説が行なわれていた奈良市で起きた。

犯人自作の銃で背後から2発撃たれ、そのうち2発目が致命傷に。心肺停止状態との一報があり、その後、失血死による死亡が確認されたというニュースが流れた。近年、日本を代表する顔であり、長く政治の中心人物だった安倍元首相の悲報。銃の乱射事件が騒がしい米国、戦争状態のロシアならまだしも、この日本でこんなことが起こるなんて、一体何事か。誰もがそんな思いだったに違いない。

安倍元首相の功罪はこれから評価されると思うが、このような行為は許されることではない。これに追随する者が出ないことを願うばかりだ。しかし動機は何だったのだろうか。

 

過去に暗殺された有力政治家を調べてみると1931年、二二六事件にて総理経験者であり現職の大蔵大臣だった高橋是清、翌1932年には五一五事件にて現職総理大臣の犬養毅が暗殺されている。さかのぼること1921年には同じく現職総理大臣の原敬、1909年には初代総理大臣だった伊藤博文がハルピンで銃殺されている。このように権力者を暗殺する行為は古くから起きているが、凶行に及んだ犯人側にもそれなりの政治信条や政府への要求があった。

今回、白昼堂々と行われた凶行にマスコミは当初「言論封鎖だ」「テロだ」と決めつけて報道をしていたが、犯行に及んだ男の情報がわかるにつれ、政治信条や要求などの大した背景はなく、いかにも通り魔的で誰でもよかったという犯行に思えた。名指しされた旧統一教会にも説明責任はあるが、貧困による逆恨み、若者の孤独など現代日本の歪んだ一面をかいまみたようで、後味の悪さを覚えたのは私だけではないだろう。

2日後の参議院選挙では安倍元首相の目標だった「憲法改正議論」が可能になるほどの自民党圧勝で幕を閉じたのは皮肉な結果だった。

閑話休題。

私はこの時、少し前に読んでいた仏教系の本にあった言葉を思い出した。

「大命まさに終わらんとして悔懼(けく)こもごも至る」

元気な時は「自分の死」を客観的にみることができるが、いざ自分が死ぬと自覚をしたとき、心には後悔と恐れが代わる代わる起きてくるという意味だそうだ。過去に対する後悔というのは「人生の目的への後悔」だと解釈されている。

過去の人生、何にもならないものばかりを求めてきたという後悔。なぜ、もっとこうしなかったのだろうかという後悔。いつかは死ぬとわかっていたのに、あっという間に人生が終わってしまい、取り返しのつかない後悔。

若い時には「やった後悔より、やらなかった後悔をしたくない」と思っていた。しかしこの言葉を深考した時、後悔をしないで人生を終えるのは容易ではないと感じた。 

 

「どうせ後悔するなら臨終の間際の悔懼(けく)を心配して生きても仕方がない。」

寿命で人生を終えることができれば最高だ。しかし事故や事件は日常と隣合わせであり、いつその当事者になるかはわからない。麻生太郎氏は「生きる上で大切なことは何か?」と聞かれこのように答えている。

「朝、希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る」

いつ何があってもおかしくない現代。え、まさか、嘘だよね?が起こるのが人生。もしかして今日が顔を見る最後の日になるかもしれない。どんなに嫌なことがあっても大切な人には笑顔で「今日も行ってきます」と伝えて出かけよう。そう思う今日この頃である。