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クモデコラム
COLUMN

2022/9/13

2022年9月 稲盛氏とゴルバチョフ氏の訃報

ニュースで訃報を知った。


京セラ創業者で名誉会長の稲盛和夫氏が90歳、京都の自宅で死去した。

鹿児島県出身、京セラ創業後、アメーバ経営と積極的なM &Aで世界的企業へ成長させた。84年には通信自由化に流れにのって第2電電を設立。通信市場へ参入し現在のKDDIを誕生させた。

後年には「日本をよくするには政権交代が必要」との持論にて民主党を支援。与党となった10年から日本航空(JAL)の会長を務め再建に尽力した。また経営塾である「盛和塾」と「稲盛財団」の活動も精力的に行なっていた。私の知り合いの経営者でも「盛和塾」に縁があった人は少なくない。


私も若い時、稲盛氏の著書である「実学」をしっかりと読み込んだ。管理会計だけではなく生き方や経営哲学などどの言葉も自身の経験に裏打ちされた重みがあり大変参考になったし、今でも私の基盤になっていると感じている。


残念ながら直接本人とは会う機会はなかった。またこれを機会に著書を読み返してみようかなと思う次第。影響を受けた人間として感謝している次第である。


「人生とはその「今日1日」の積み重ね、「いま」の連続にほかなりません」(稲盛氏)


小さくても地道に積み重ねていくことの重要性を説いている。逆にいえば「ま、いいか」とズルズルとしている今もしっかりと積み重なってしまうということに他ならないということだ。

 

私は「自分を変えるのは難しい。でも人生において非常に価値が高い挑戦だ。」と社員に常々伝えている。苦しくとも前向きな「今」であればよい習慣になる。また受け入れず逃げるような「今」もそれも習慣になってしまう。「いまの連続」が人生を作る。ご冥福をお祈りします。


今週はもう1人、世界的な人物が亡くなった。


旧ソ連最後の最高指導者で初代ソ連大統領となったゴルバチョフ氏が8月30日死亡したとロシアの複数の通信社が伝えた。91歳だった。

氏は86年のチェルノブイリ原発事故以降、ソ連には大幅な改革が必要だと考えた。アフガン戦争から撤退、米国レーガン大統領との首脳会談で核兵器の制限と冷戦の終結を着手。国内では社会主義の理想にこだわりながらも言論、報道の自由を認めるグラスノイチ政策をとり、経済成長をさせるためにペレストロイカ(再構築)政策を実施した。

結果的に東西冷戦を終結させ1989年にベルリンの壁を崩壊に導き、その後の東西ドイツ統合を実現した最大の立役者で90年にノーベル平和賞を受賞している。


世界的には印象的な活動をした人物だがその後の混乱を招いたということで国内での人気は低迷。1991年にはマルクスレーニン主義がクーデターを起こすなど政情が不安定になり同年ソ連が崩壊。15の連邦構成共和国に分裂した。(ロシア連邦大統領は初代大統領はエリツィン。)


「自分の間違いを認めることは非常に難しい。しかしそれをしなければ先には進めない」(ゴルバチョフ氏)

大事であればあるほど過去を清算することは簡単ではない。氏の決断は結果的にソ連を崩壊させることになったが、この言葉をプーチン氏にはどのように響くのだろうか。


閑話休題。

旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)といえば「桜田淳子が韓国での合同結婚式に参加した」程度の知識しかなかったが安倍氏の暗殺以降、政治家との関係が世間に知られることになった。真偽のほどは不明だが、ウィキペディアによるとゴルバチョフ氏は失脚後、旧統一教会からの資金援助によりゴルバチョフ財団を設立したとある。そうだとすると旧統一教会は古くから世界の権力者に何らかの影響力を持ってきたと考えていい。政治、選挙にこれまで深く関与しているとは知らなかった。


これについて当該とされる各議員は歯切れが悪く、しどろもどろな回答を連発していたが、おそらく本人たちも「いつから始まっていて、どこまで関与していたのか」わからないというのが実情ではないだろうか。そんな事態を案じてか、ついに岸田総裁が31日の記者会見で「旧統一教会との関係を断絶する」と述べる事態となった。喉元過ぎればなんとやら。

稲盛氏は「甘えの積み重ねが今を作っている。」と言い、ゴルバチョフは「過去を認めるのは非常に難しい。」と言った。我ながら胸が痛い。