2022年4月 春に思う。縁と偶然、偶然と運命
春の日差しがきらめく4月3日(株式会社ロビン創立記念日)、高山市のグリーンホテルにて入社式と社員大会が開催された。
ここ2年はオンラインでの入社式だったのが、今回は感染防止対策を万全にした上で2年ぶりの集合開催。企画運営をした本部スタッフは「万が一」があってはいけないという重圧と緊張感のある準備期間を過ごしたと思うが、無事に閉幕。有意義な1日となった。
節目というのはとても大切である。例えば、暮らしの中には正月という節目がある。
暦的にはただの1日だが、決してそうではない。私たちは1年間にあった出来事を振り返り反省しながら大晦日までにすすや埃を払い、身の回りを整理、清潔にして新しい年を迎える準備をする。1月1日になれば新鮮な気持ちになり心新たにスタートがするのである。この節目がなくては「のんべんだらりん」としたものになり、人生は味気ないものになってしまうだろう。
暮らしに節目があるように、企業にも節目があるべきだと思う。
過ぎた1年を振り返り反省し、そして新しい1年を感謝と喜びを持って迎える。新鮮な気持ちになり、また心を新たにし仕事や仲間と向き合うことができる。新しい1年のスタートである。
今回の開催は制限された条件での開催のため参加は従業員のみ、飲食は無しだった。コロナ禍が明ければ、お客様、協力会社の皆様もお招きし賑わいのある節目にしたいと改めて感じた次第。
また今回、役員人事として高山本店の足立本店長、岐阜支店の田方支店長をそれぞれ取締役社長に任命・就任をしたことを発表した。
この人事は「社長とは現場で社員と共に悩み、喜び、成長を実感する者」でなくてはならないという私の哲学が反映されているものである。ここ数年、私は現場に顔を出せていないことにストレスを感じていた。PCやオンラインで仕事はやれてもやはり社長は現場に立つべきだと思っていた。また私も50歳を超えた。そして社員の士気が上がり夢がある組織にしたいとの思いがこもっている。
代表取締役は引き続き蜘手が行うため対外的には何も変わらないし、小さい企業に2人の社長とはおかしな感じだが、地域特性上必要な最適の人事であり現場での責任者として2人には期待をしたい。
閑話休題。今回は新卒社員5名、既卒者員1名の6名が新たに入社した。
未来のRobinを支える人材として大きく期待をしているが焦らずしっかりと根を張り成長してほしいと願いつつ、私から社員に向けたメッセージを紹介したい。
春になり、新たな出会い、別れがあるたびいつも思うことがある。
「袖振り合うも他生の縁」というが人と人の繋がりや、縁というものは不思議なものだ。あの日、あの時、あの場所にいなければ、あの時に声をかけてもらわなければ、この会社に入っていなければと思い浮かぶシーンは誰しも感じたことがあるだろうと思う。
縁がその後、結婚また家を建てるなど大きな決断に至ることもある。縁がなければ永遠に出会わなかった人、縁がなければ全く違う人生だったと思うこともある。
しかし考えてみてほしい。縁とはただの偶然なのだろうか。
偶然であるなら、今の自分があるのも偶然だということになるが本当にそうだろうか。
松下幸之助爺は「人は大きな運命の中でその縁の糸はあやつられている」と言葉を残している。一見、偶然と奇跡のタイミングだと思える縁、それは実は運命であったのだと。私も若い時には「運命は自分で切り拓く」などとカッコつけていた。しかし50歳を超えた今では本当にそうだろうかと思うようになってきた。
自分が選んだことじゃないと思っていると何をするにしても憂鬱な気持ちになる。
しかし「運命は決まっている」と受け入れることができれば知恵や工夫、そして覚悟と努力が生まれてくる。
その運命は誰が決めているのだろうか。神や仏、また大きく次元の高いものかもしれないが、わかっていることは自分や相手の意思ではないことである。
もし縁が運命であるなら、お互いに人間関係や今、置かれている環境を受け入れ、大切にし、有難いことだと考えたいと思う次第。もちろん運命を受け入れた上で、違う選択、人生を変える決断をするというのも縁であり運命である。
多くの人にとっても会社を選ぶ、仕事を選ぶというのは大きな決断で将来の方向性を決定する重要な問題だったと思う。もちろん軽い気持ちで選んだり、そもそもやる気がなかったけれど流れ上そうなった、という人もいるだろう。今日ここで運命だと受け入れてほしい。よしやってやろう!この会社で頑張ってみよう!と固い決意を持ってスタートしてほしいと思います。
(以上、ここまで)
実際には現実を受け入れる難しさもあるし、縁や運命に抗い(あらがい)たいと思う時もある。結果に満足できないことや納得できないことも多い。
しかし時間が経過し過ぎ去ってみれば、やはり全てが結びついているのではないかと思うことも多い。そんな思いを新たにした次第である。
KUMODE