今年、長男が大学受験をするということで、色々と初めて知ることが多いのだが例えばその1つが、奨学金制度についてだ。仕組みや運用などはあまり理解できないのだが、私が驚いたのはその利用率。なんと現役大学・短大生の奨学金利用の割合はなんと2.6人に1だとのこと。(独立行政法人日本学生支援機構HPより)
調べてみると奨学金制度は、2004年に日本育成会から日本学生支援機構に引き継がれている。それまでは返済の必要がない給付型の援助資金だったのだが、奨学金の多くは返済型に変わったらしい。私が学生時代の時は、奨学金を利用できるのはごく一部の成績優秀な苦学生に限られ、なおかつ返済が不要なものだったと記憶している。今は、給付型の他に有利子タイプ、無利子タイプなど返済を必要とするものになったらしい。
これはすでに奨学金ではなく、明らかに大学進学のための“金融事業”ではないか。
全国大学生活協同組合のHPの奨学金特集には以下の文章が掲載されている
半数近くもの学生が、返還が必要な日本学生支援機構の奨学金を借りています。ブラックバイトが社会問題化しているのも、奨学金を借りながらバイトせざるを得ない今の学生実態の一つの現れでもあります。私どもの「学生生活実態調査」でも、親の家計が厳しく仕送りが減少傾向の中、奨学金を借りてアルバイトを行う学生の姿が見えてきます。
個人的には家計を無理してまで大学へ行く必要があるかね、と思った次第。学生新卒で入社し、3年間で3割の人が転職しているのが現状。如何なものかと思うがそれも時代なのだろうか。
閑話休題。
最近、企業の採用難時代にあって、リファラル採用の成功事例を聞く機会が増えてきた。
リファラル採用とは、いわゆる縁故採用のことで、すでに自社で働いている社員や関係者からの紹介で社員を採用するという採用方法である。縁故採用や紹介入社そのものは珍しくないのだが、最近の特徴は紹介したスタッフに報酬としてインセンティブを付与するケースが多く、その金額も20万円から30万円だという。
インセンティブで30万円は高くないか?と思われる方もいるかもしれない。しかし採用活動をガッチリやっている企業からしたら、1人当たりの採用コストが30万円なら激安だと思うだろう。媒体にかかる費用はかさむ一方だし、新卒採用や既卒採用にしても100万円かけても1名も応募がないということもある時代。ひと昔前なら新卒採用1名当たり20万円という時代もあったが、そんな時代は二度とやってこないだろう。
このリファラル採用のメリットは紹介する側もされる側も一定の責任感が生まれることだろう。入った人間がクズだったということはあるにせよ、誰かの紹介で入社するということはある意味、後見人がいるということになる。
媒体を利用した採用手法に限界と手詰まり感を感じている中小企業や地域密着企業にはふさわしい採用方法だろうと思う。また1つの考え方として、“どんな社員が欲しいか?”によるが、例えば私の場合は企業理念などに賛同しているということを前提に、協調性があり何事も協力して仕事ができる人間、それから簡単に仕事を辞めない人材が欲しい。
となると、声を掛けて条件で相手を誘うのではなく、長い期間、口説いて入社をしてもらったほうが良いと思っている。現在の会社を条件次第で簡単にやめるということは、入社をしても同じように他社の条件で簡単に辞めるということになるだろう。この場合、リファラル採用は非常に効果的だと思う。
仕組み化するのであれば社員に“人材不足”を浸透させ、危機感を持ってもらう意味を含め、例えば社員1人に、3人ずつの人材に転職採用の声を掛けさせる。6ヶ月の間に3回、また接触し声をかける。地道にこれを繰り返せば、1年スパンで何名入ってくるか。
これならインセンティブが発生しても、“お金のため”という動機も消すことができるだろう。金借りて、学校で行って、就職し、嫌だったら転職すっかという時代。
日本って平和だなと思った次第である。
KUMODE