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クモデコラム
COLUMN

2019/3/19

2019年3月 “若さ”という価値は一瞬で過ぎる

私が若い頃は、お金も志もなかったが時間だけはあった。
人生とは何か、生きるとは何かと、随分考え、周りと議論をした。しかし年を重ね、仕事や生活に責任が出てくると日常のスピードは加速をする。人生とは何か。そんなことも考える時間は少なくなった。

さて前回、多くの学生が奨学金という名のローンを組んで大学へ進学していることを書いた。
私は、その仕組みや制度について無知なのだが聞くところによるとローンは親ではなく学生である子が支払っているケースが多いという。昔は「うちは大学に出すお金がない。どうしても行きたいなら一生懸命、勉強して奨学金をもらえるくらい良い成績を出して、国立へ行きなさい。それか教員へ」という時代だった。親も大学受験まで一生懸命、勉強ができる環境を作るように努力した。(と、認識している)今は「大学へ行きたいなら奨学金で借りて、40歳過ぎまで自分で払いなさい。」という時代のようだ。

しかし実際は学費も親からの仕送りもままならずブラックバイトに勤しむ学生も多いようだ。私は無理せず高卒で仕事に就けばいいのにと思うが、大学までは出ておきたいという気持ちもよくわかる

お金がないのだから、奨学金を借りるのは仕方がないだろうという意見もある。また金利が安いのだから、借りた方がいいのではないかという人もいるだろう。借りたら返さなくてはいけないのだが、保証人になっている親もろとも破産するケースもあるというから、現実は厳しい。

また昨今、そんな学生に対し、採用時に奨学金を負担する、という企業もあるという。そりゃ助かるとばかりに、入社し弁済してもらおうと考える人もいることだろう。(私は反対だ)

この奨学金を取り巻く問題は考えれば考えるほど、複雑で難しいと感じる。本当はあまり深刻に考えなくていいことなのかもしれないが私にはわからない。しかし今の日本の社会の持つ体質や様々な問題が何かこう1本の線で繋がっているようにも思えてくる。

増えない子供の数に減らない大学の数。高騰する学費や入学金、聞いても何をやっているかさっぱりわからない学校や学科。親からの仕送りが少ないなら賄い付のバイトをし、女性は相席居酒屋という名の、タダメシが食える店がある。オシャレは年中割引セール中のZOZOで揃えればいい。若さにとって最大の敵は”孤独”だが、今はスマホとWi-Fi、そしてSNSがあれば誰かと繋がっていられる。

社会へ出ようと採用活動をすれば、群がってくる企業と大人がいる。社会に出れば働き方という名の“好条件”と“好待遇”が迎えてくれる時代だ。現実は学校を卒業し就職しても3年間で3割は退職する。しかし転職先も意欲的な若者になら無数にある。新卒就職に失敗しても何も心配はない。それが今の若者の現実の一面だ。

しかし私も子供達に環境を与えている大人の側の1人として言っておきたい。今、君たちがチヤホヤされるのは若いからである。若さは価値がある。だから勘違いだとしてもそれは正解だ。

しかし若さの価値なんかごく一瞬である。
一瞬だからこそ、自分に何ができるかを考え、人生について向き合ってほしい。

私は若い時から、今まで人と違うことを恐れるな。孤独を恐れるな、と自分に言い続けてきた。
しかし今でも人と違うことに恐れることもあるし、他人と比較をし、落ち込むこともある。しかし若い頃に思い悩んだことがあるから、今、自分の正直に生きていられる。

若さには価値がある。しかしその価値は一瞬で過ぎていく。その一瞬を刹那的に生きることなく、膨大な時間を使って自分の人生に向き合ってほしい。答えが見つからないのもまた青春なのである。

さて、久しぶりの休日、自宅の本棚を見ていたら、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」があった。
本当の幸せとは何か。それは自分を差し置いてでも他人の幸せを願い尽くすこと。宮沢賢治の純粋で無垢なメッセージは、いいオッサンになってきたと実感のある私の胸に突き刺さった。私も今年で48歳、もうすぐ初老である。

若い時期を振り返ることはないし、今が一番、人生で楽しく充実しているが「やっぱ若さは無敵だよな」と思う今日この頃。(新卒採用で若者を見て、結局、羨ましいのかよって話)


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