リフォーム業界の明るい未来の為に、集い・学び・成長していく

一般社団法人 Jackグループ

Jackグループへの加盟に関するご相談・お問合せ
  • jackcare
  • jackcare
  • メールでのお問い合わせ
  • 0577-57-7210|受付時間 9時〜17時
メールでのお問い合わせ

クモデコラム
COLUMN

2020/7/1

2020年7月 お金が集まるところで技術革新は生まれる

「この新型コロナウイルスが仮に終息したとして、生活や経済活動は以前のように元に戻るだろうか?」という問いにあなたはどう答えるだろうか?

飲食店や夜の街、そして観光業や交通事業者は戻ってほしいと切に願うだろうが、現段階において、もう元には戻らないと考えている人が多いと思う。

「人間は忘れることで生きていく生き物だ。苦しさ、悲しさなど喉元を過ぎれば皆、忘れてしまう」という意見もある。

未だ新型コロナウイルスが終息しない状況が続いているどころか「第2波」が始まっていることは明らかである。政府も経済と終息のバランスを取りながらと思っているだろうが、判断が相当難しい局面は避けられないだろう。

そんな、このコロナ禍で1つの可能性というか未来を感じた出来事があった。

新型コロナウイルスの影響で大規模なライブの開催が困難な中、サザンオールスターズは6月25日夜、横浜アリーナ(横浜市)でバンド史上初となる無観客の配信ライブを開いた。ABEMAなど8つの動画配信サービスを通じて有料配信され、3600円のチケット購入者は約18万人、総視聴者数は推定約50万人だったという。

アリーナで有観客ライブを開催する場合、席数は約1万3000席で通常チケットの場合9500円程度。今回の収益の一部はチャリティに充てられるようだが、主催者は3〜4万人の有料視聴でライブ開催同等の収益が確保できるという見立てであったようだ。蓋を開けてみるとはるかに多くの人数だったということになる。ライブは席数が決まっているがネットでは無制限。もちろんサザンの商品力が優位なのは間違いないが、ライブより利益が出る、それも安全にということが現実になった今、エンターテイメントのストリーミングは拍車がかかるだろう。


女子ゴルフツアーは3ヶ月遅れて、開幕戦を迎えたが今回はネット中継のみであった。日曜日が雨で中止になり月曜日開催となったがプレーオフは23万人が視聴していたという。

今回は無料だったようだが、23万人が見たという事実は大きい。女子ツアーはテレビ局との放映権と肖像権でここ数年、揉めていたが、これでテレビなしでもやっていけると自信がついたに違いない。

そもそもテレビ中継は時間が2時間程度で録画中継がほとんど。スポーツはライブが命なのに録画中継をしている時点でアウトだといつも感じていた。今回は4チャンネルを利用したということもテレビよりライブ感がありよかったという人も多かったしテレビだと家か車にいないといけないが、仕事中や移動中でも見ていたという人もいた。


全米の4大プロスポーツのアメリカンフットボール(NFL)は、その頂点を決めるイベントでスーパーボールがある。視聴者は1億人を超え、視聴率40%という化け物イベントだが、お金になるイベントで知られている。

「付加価値が生まれるところで技術革新が生まれる」の言葉通り、ハイスピードカメラ、360度カメラ、高速移動するシステムなどによりライブ感を損なうことなく、むしろ会場よりリアルに感じることができる数多くの映像技術に関する技術革新が生まれてきたようだ。

私の知り合いの米国人に聞いても、野球はスタジアム、バスケはアリーナ、でもフットボールはテレビの前が一番いいね、と言っていたのも、そんな理由の1つなのだろう。


エンターテイメントやスポーツなどライブとインターネットは親和性が高いことと利益が出ることがわかった。

今後は各界隈がお高く止まっている日本のテレビ局とさっさと縁を切り、日本ならではの映像技術やVR技術など開発が進むだろう。プロレスやゴルフ、野球やアーティストのライブをVRやバーチャル技術が浸透し、世界のライブで楽しむことができれば嬉しいし、そう遠くない未来だと思う。

コロナ禍により本当の意味のオンライン社会の日常化が見えた。

新たな技術革新を期待したい。

KUMODE