2021年7月 謎の腹痛と止めることのできない変化
5月、謎の腹痛に襲われることが4回あった。胃から下腹部にかけてキリキリとした痛みが続いた。痛みがある最中は微熱も出た。長い時は5日間。短くても2日間は寝込むはめになった。その期間は集中力もなく仕事も手につかない状態だった。
実は昨年同じ症状が出たことがある。
その時、医者には腸内環境のバランスが悪いと言われ整腸剤を処方された。その時はそれで済んだのだが今年5月に入り再発。整腸剤を飲んでも全く改善されなかった。
今年はそれが4回。さすがに他の病気を疑った。下腹部痛みで検索すると前立腺関連の病名もでてきたので、再度、医者へ行った。
「先生、またお腹が痛いです」
「そうですか。どのような状況で痛くなりますか?」
「ゴルフのラウンド後、ジムへ行ってプロテインを飲んで、ゴルフの練習へ行ってタンパク質多めの食事をしてマッサージへ行った夜です」
「わかりました、蜘手さん、それは病気ではなく生理現象です」
「は?どういうことですか?」
「食事をした後に運動するとお腹が痛くなることありますよね。生理現象です。それと同じでトレーニング後、筋肉繊維に傷がついて筋肉痛になるように内蔵も疲労します。おそらく激しく運動した後に内臓が活発化しすぎているか過敏状態になっているのでしょう。トレーニング後にすぐ食事せずしばらく体を休めてから少なめの食事をしてみてください」
そういえば昨年11月から体脂肪率を改善するための生活をしており、その影響で体重も落ちてしまったので4月から体脂肪率を維持したまま筋肉量を増やす計画をトレーナーと立てて実地してたのだった。
目標5ヶ月で5キロ増量。それに伴い4月半ばからトレーニング後の食事量を増加していたのだ。それが仇になったようだ。私は生理現象だとまったく気づかなかったが病気でなかったことに安堵した。
それ以来、食事を摂るタイミングと量には気を使っている。お陰様で腹痛になることなく体調もすこぶる良くなった。
「以前はどんなに食べても全然、へっちゃらだったんだけどね」
「みんな、そうですよ」と同世代の医者に言われた。
閑話休題。
先日、久しぶりに会う経営者仲間4人で食事をした。かつて“若手経営者”と呼ばれていたメンツだが今では50歳前後の“おっさん経営者”。
以前は夢と希望とハッタリで咲かせてきた集いも、今では体調変化や事業継承の問題、すっかり大人になりつつある子供たちのことなど実に現実味のある話題に花が咲いた。
とても楽しい時間だった。
私は5月で50歳になった。メガネはまだかけていないが老眼は進行し集中力も続かなくなった。事業継承もそう遠くない問題であることの認識もある。
ゴルフは1ヤードでも遠くへ飛ばすことが私のポリシーだったが、最近はアプローチ、パターが重要だと理解した(やっとかよ)
最近、感じることとしては1日1日が過ぎる時間の早さとさまざまな変化である。加齢と共に見た目も変わる。気づかぬうちに内臓レベルでもその変化は起きている。
今回、寝込んで気づいたのは体調が悪くなると全く集中できなくなることだった。若い時はそんなことなかった。どんなに具合が悪くても仕事をしていた。心がついていかなくなる日が来るとしたら、それは肉体がボロボロになった時だろうと思った。
経営者は体力勝負というがこの歳になって思い知るとは。
変化を感じているのは体調面だけではない。例えば物欲。以前は素敵だな、欲しいなと思うものが物欲の対象だった。
しかし今は長く使えるもの、一生使えるものがよいと思うようになってきた。例えば時計もそうだし靴などもそうだ。プレミアム価格といって定価より高い金額で実売されているものに価値があると思うようになってきた。逆に身分不相応のものを手に入れようとは思わなくなった。本当に必要なものだけを吟味して買うようになったので、結果的に出費は以前より減った。
変化は経営の価値観についても感じている。
例えば近年、新規採用が難しくなり転職しやすい時代になった。離職にビクビクして経営などできるわけがないと思っているが、実際はかなり気を使うはめになっている。
今後は腫れ物に触るように社員を扱う時代になるのかもしれない。しかしそれで私が作りたかった小さくても強くてユニークな会社が出来上がるだろうか。
時代の変化を受け入れなくてはいけないと思う。同年代の経営者の他界もあり、改めて私の残りの人生にも限りがあることを再認識した。
今はコロナ禍。これからも変化は続く。”自分とは何か”自問自答を続けている。
KUMODE