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クモデコラム
COLUMN

2021/9/20

2021年9月 達成感と充実感

リフォーム業界での経営に関する1つの問題に新卒営業社員の定着の悪さがある。勤続5年、28歳を越えられない社員が多い。

営業職は5年も続けるとOB顧客もつき、リピートである程度の数字を作れるようになる。また28歳前後には責任を持った仕事にも就ける。しかし多くの場合、入社して5年、28歳前に転職してしまう。この場合、会社は常に新規集客が必要で、価格の競争状態が抜け出すことができない。

新人営業社員が活躍し定着し長く続けられるには何が必要なのだろうか。

長く続けられる理由として関係ない話だが、私のゴルフ歴について話をしたい。

私がゴルフをし始めたのは学生から実家に戻ったタイミングだった。24歳だったと思う。

28歳に起業し今の会社を立ち上げた。それから35歳まで一度もクラブを握らなかった。というより時間も心もそんな余裕はなかった。

ゴルフを再スタートしたのは36歳。今でもお付き合い頂いている安藤プロにお世話になり熱心に練習した。やればやるほどのめり込んだ。ハンデが15くらいの時、月例競技に出るようになった。優勝も何度か経験した。草大会や雑誌の主催する大会にも参加した。私は元々、野球部で体育会であったこともあり勝負事にムキになるタイプ。出るなら優勝したいし、負けるなら勝負したくないと思っていた。どんどんのめり込んだ。当時、ゴルフをしていた人に対し「なんで競技に出ないのだろう。楽しむだけじゃツマラないじゃん」と思う自分がいた。エンジョイゴルファーの人たちの気持ちが理解できなかった。

しかし熱心に練習しラウンドを行っていたある日、急にドライバーがに全く当たらなくなった。右にも左にも飛び出してOBの幅がどんどん拡がった。やがてドライバーが全力で振れなくなくなった。当然、飛距離も全く出なくなった。ドライバーイップスだと気付くのに1年以上かかった。


競技へ出ても面白くない。友人と回ってもイライラするだけで、周りに嫌な思いをさせたことも何度もあった。

「しばらくは競技出れんな。ドライバー直さないといかん」

そんな時期、同じく競技ゴルフに熱心だった実弟からツアープロのシード選手を紹介され、色々と交流も持つようになった。

世の中、プロゴルファーは多いがツアープロと呼ばれる連中は賞金が収入である。もちろんスポンサーなどの副収入があるが、ツアーで活躍するかどうかでその価値も変わる。ツアー選手は実績が全てなのだ。ある日、シード選手である数名と食事会をした時、私のドライバーの悩みを打ち明けた。すると

「プロも同じです。いつも悩んでいます」と言った。

「どうしたらいいのか分からないからゴルフがツマラないんだよね」と私が言った。

すると「アマチュアだからそれでいいのではないですか?私は仕事なんです。あなたとは違うのです」と言われた。この言葉は私の心の中の何かを強く打った。

ゴルフで収入を得て家族を養うアスリートと交流するのは刺激になったし楽しかった。しかしツアープロは生活がかかっている。私はつまり遊びである。

この時、頭の中のモヤモヤが全部、吹き飛んだ。プロと付き合い、競い合い、ハンデゲームで勝ったとしても、どんなに一生懸命に練習し結果を出しても所詮、アマチュアゲーム。

実は過去に競技に熱心だった時も一度もゴルフを面白いと感じたことはなかった。負けると当然、ムカつくし自分に腹が立った。また勝っても次の試合や競技に向けてまたやらない課題が見つかった。勝っても達成感もなかったし、負けたらイライラが募るだけだった。

プロなら勝てば賞金も出てスポンサーからお手当てもある。稼げる。アマチュアは賞金などない。ただ勝ち負けのゲームをするだけ。私の性格はそれに向いていない。楽しみながら競技をできる性格じゃないと今さらながらに知った。

私は競技に出ることをやめた。戻ることはいつでもできる、だから距離を置こうと思った。

スコアのアベレージをあげていく目標を立てた。つまりエンジョイゴルファーになったということだ。仲間や社員、時に顧客とラウンドをまわり、よかった、悪かったねと一喜一憂するゴルフにした。競技をやっている時のような緊張感も達成感もない。しかし今は充実感がある。とても楽しい。

選手がツアーで賞金を稼ぐことが仕事なら、私は組織を率いて結果を出すことが仕事である。またJackグループを通じて会員企業、業界、社会に貢献することが仕事である。

勝ち負けに一喜一憂せず、これはゲームなんだと競技を楽しむ余裕が生まれ、そう思えるようになった時、私はまた競技に戻るかもしれないが、今はこれで充実している。

仕事はプロとして何かを成し遂げるために目的と目標が必要だ。努力し結果を出せば達成感も対価も得られるだろう。達成感は挫折と苦難があればこそ。なかなか長続きしないこともある。

充実感は求めるものじゃなく、感じるものだ。達成することで得られる充実感もあるだろうが、長く続けられるキーワードの1つは充実感ではないかと思う今日この頃。

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