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クモデコラム
COLUMN

2022/2/4

2022年1月 いつの時代も若者は新人類

1980年代、常勝軍団・西武ライオンズの工藤投手や渡辺久信投手らは「新人類」と呼ばれた。「新人類」とは従来とは違った感性、価値観、行動規範を持っている新しい感覚を持った若者を指した言葉で流行語大賞も受賞している。

2人とも後年にはソフトバンク、埼玉ライオンズの監督などでも活躍した。「新人類」と呼ばれたヤンチャさはすっかり影を潜め、熱血的で正統派な指導者になっていたから歳を重ねるというのは面白いものだと思う。

私も29歳で起業した時、生意気だ、調子に乗るなとも言われたこともあったが、周りから珍しがられるも暖かい目で見てくれた人が多かった。

当時、身の丈に合わない仕事や明らかに企業規模を超えた仕事の依頼されたこともあった。これも実力、と思っていたが、50歳となった今では、若者が必死で這いつくばっている姿の何かに共感してくれたのかな、と思うこともある。

スペイン出身の作家・セルバンデスの作品に「ドン・キホーテ」という名作がある。騎士道本にのめり込んだ主人公アロンソ・キハーノの冒険の物語である。

主人公はある日、理性を失い妄想に取り憑かれてしまう。それは騎士道本に描かれた世界はかつて実在し、それを現代に復活させ、理想の世界を実現させるというものだった。

この考えに取り憑かれた主人公は自らを騎士ドン・キホーテと名乗り、旅に出かける。行く先々で妄想と勘違いじみた行動で様々な冒険をする、というのがこの物語の大きな流れである。

そのエピソードの中で風車に突撃する有名なシーンがある。

ある時、ドン・キホーテは風車を巨人だと信じ込み、突撃した。しかし風車の羽根に吹き飛ばされ、宙に舞い地面に叩きつけられてしまう。

それを見た従士のサンチョは「やれやれ、なんてこった!」と呆れるが、ドン・キホーテは「僕から巨人退治の名誉を与えないために、魔法使いが巨人を風車に変えたのだ」と言い返した。

周りから見たら「風車に突撃するただのバカ」だが、妄想を信じ込むドン・キホーテに見えるのは大きな巨人だったという話である。

10代にこの本を読んだ時は何が面白いかサッパリわからなかったが、今になってみると1つ1つのエピソードが当時とは違った印象を受けるから不思議なものだ。

閑話休題。

「若さ」とは最大の武器である。過ちや失敗を取り返す時間もあるし機会も多い。守るものも責任もまだ少ない。疲れの回復も早く、身体の無理もきく。

WEBマーケティング会社であるUOCCが30歳〜49歳の男女を対象に「20代を振り返って後悔していること」を調査した結果によると1位は投資、2位は資格取得、3位は旅行、4位が勉強、5位が人生設計だったという。

また30代になってその後悔したことを取り組んでいるかについては69%の人は取り組んでいると答えていて、その理由は「さらに後悔したくないから。言い訳した人生にしたくないから」ということらしい。

繰り返すが若さは武器である。しかしそれは次第に弱くなる。気がつけばあっという間に手元から消えてなくなっている。

親は子供を社会へ送り出すとき「後悔のない選択をしなさい」というが、若いうちは後悔の意味もわからないものだ。しかしそれでいいと思う。後悔をしない選択などない。すべきことは選択したことをとことんやり切ることである。

先日、勉強会である経営者が言っていた。

「新卒で就職をし3年未満で退職した若者は採用しない。リクルート社などは“第2新卒”とカッコよく都合いいこと言うが、そんな奴は何をやっても中途半端になるだけだ。人材の価値を全く見出せないから絶対に採用しない」

私もその話を聞いて本当にそうだと思った。

私はずっと体育会系で育ってきた。叱られてムカついたこともあるし、結果が出ずに苦しい思いをしたこともある。他の選手にポジションを奪われ人知れず努力もした。

「努力は必ず報われる。報われていなのは、努力と工夫が足らないから」と指導者に言われたのを昨日のように覚えている。

自分が下級生で、先輩選手が多いチームだった時は目立たなくてはいけなかった。叱られるというのは目をかけられている証拠。認めもらえば機会が増える。それはスポーツ以外の仕事でも同じだった。

先日、期日に甘い若い社員に期日、締め日の重要性を伝えた。

強く言ったつもりはなかったのだが、翌日その本人から店長宛に「退職依頼」があったという。経緯はどうであれ叱られたことがきっかけであったことは間違いない。

う少し前に進む力があれば、大きく成長できると信じて叱ったのだが、裏目に出たようだ。腫れ物に触るようにのんびり育成するのがいいのか、悩むところである。

はあ、今どきの若いものは、どうしたもんかね。と思う今日この頃である。

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