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クモデコラム
COLUMN

2019/6/5

2019年6月 豚に真珠。猫に小判。高齢者に免許証。

またもや目を覆いたくなるような凄惨な事件が川崎市で起きた。5月28日の朝、神奈川県川崎市にあるJR登戸駅近くで、51歳の男性が、私立小学校のスクールバス乗り場にいた児童・教員・保護者らを包丁で襲撃した事件。児童を含む19名が殺傷され、うち女子小学生1名と保護者1名が死亡した。男性も自分の首を刺して死亡した。

マスコミは犯人をプロファイリングし、様々な角度から人物像を浮かび上がらせようとしているが「キチガイ」の思考など理解できるわけないし、民衆に理解させようとしてはいけないと思う。コイツは普通じゃない。プロファイルをし、メディアで報道すればするほど、共感を得ようとする次のキチガイへ飛び火する可能性もあるからだ。(追記:練馬の事件がそうだ)

再発防止策の議論もされているようだが、私たちはそれが社会であり、現実であるということくらいしか理解しようがない。しかしなんとも胸が痛く締め付けられる事件。言葉が出ない。二度と起こってほしくない事件である。

事件といえば東京・池袋で87歳の高齢者が運転する乗用車が暴走し母子2人が死亡した事故で、東京都公安委員会は車を運転していた87歳男性の運転免許を取り消す行政処分をした。
近年、高齢者の運転ミスによる事故が多くなった。これも高齢化社会の避けられない現実だが、高齢者の事故対策としては、超高齢者(例えば80歳)の免許証を強制返納させるしかないと思うが如何なものか。

飲酒運転は法律によって罰せられる。近年、社会的な抑止や厳罰化になったことを受け飲酒運転による事故は激減したと思う。なぜ飲酒運転はいけないのか?それはアルコールを摂取することで、判断が遅れる、動作を間違える、気が大きくなるなどして運転が荒くなるなど様々な理由である。

しかし本来、人はそれぞれアルコール耐性が違う。少量でも酩酊する人もいれば、ジョッキ2杯くらいなら何も変わらない人もいる。個人差がそれぞれあって当たり前の話なのだが、誰も責任を取りたくないから、法律というのはそのような訳にいかない。例え強いアルコール耐性があってもダメということになっている。漏れのないようにルールを決める。納得できない人もいると思うが、それが社会というものだ。

高齢者は70歳を超えると運転免許証の高齢者講習を受けることが義務付けされた。これによって認知機能の低下や判断力を審査するのだが、もちろんこれも個人差がある。運転に支障のない高齢者もいるし、支障のある高齢者もいる。また高齢者は若者と違い、病気や怪我をきっかけに一気に老化することもある。

私は論理的には飲酒運転のルール決めと、高齢者の免許更新のルール決めは同じ構図に思えて仕方がない 。車が必要な高齢者も多いと思うが、ルールを決めてしまえばバスやタクシー、UBERなどの移動市場拡大にもなるはずなのだ。しかし現実的には高齢者免許強制返納は実現しないだろう。

政治家にも高齢者が多く、また高齢者の投票率も高い。また免許にまつわる利権も小さくない。高齢者にまつわるルール決めには様々な意思が働いているのも透けて見える。

閑話休題。

東京・渋谷区は近年、ハロウィーンで逮捕者が相次いだ問題を受け、この時期と年越しカウントダウンに限り、渋谷駅周辺の路上や公園での飲酒を禁止する条例案を明らかにした。特に罰則規定は設けず、6月の区議会で審議されるという。条例案では飲酒店業者に酒類全般の販売自粛を求めた他、音響機器で大きな音を出すことや街灯に上がるなどの迷惑行為も禁止をした。

こちらは法律じゃないが、若者のルールはすぐに決められる。資本を持っておらず、権力もなく、長期的に結果を産まず、また高齢者でもないという部類の対策は簡単に決まっていく。この条例がどの程度の抑止になるかはわからないが、高齢者のことは棚にあげるくせに若者にはあれこれ押し付けるのが今の日本。

やりすぎる若者に警鐘か、それとも社会の不満に対するガス抜きか
不釣り合いなもの。豚に真珠。猫に小判。高齢者に免許証とはいかないか。


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